経営戦略の必要性と流れ

なぜ経営戦略が必要なのか


経営を行うためには、最上流である「経営戦略」が重要です。経営戦略は企業の目指すべき方向や方針として、どのような領域で事業を行うか、経営資源(ヒト・モノ・カネ・情報)をどう配分すべきか、ビジネスモデル、競争優位性をどう確立するかなどを決定し、具体的行動(事業戦略や戦術)へ繋げていきます。

経営戦略とは
領域   : ドメインの決定
・資源   : 経営資源の配分
・競争優位 : ポジショニングを行う

そのためには、経営理念、使命・ミッション、問題・課題、あるべき姿、重要成功要因、ビジネスモデルを言語化や図解化することが重要です。

とはいえ中小企業では、日々の業務が忙しく今期売上・利益をどうするか仕入先や顧客との関係など目の前の状況をどうするかに注力しがちです。また、先代が得た経営資源や顧客を引き継げ、比較的安定的な状態であるがゆえに、5年後10年後のことは考える必要はないと判断してしまう経営者も多数いらっしゃいます。

しかし、それで良いのでしょうか?

本経営学の形シリーズは、中長期的な視点(5年後・10年後)でのあるべき姿を定量的・定性的に定義する方法、その後の事業戦略・戦術(アクション)に繋げるための『型』であるフレームワークお伝えします。
もちろん経営戦略を理解していなくても、事業活動ができますし、成長もできるでしょう。とはいえ、しっかりした根拠・理論・体系にもとづいた戦略に沿った事業活動を行うことで、更なる飛躍の可能性があります。

経営戦略の流れ

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経営戦略のピラミッド

本経営戦略の形では、継続的に事業活動を行っている企業を主対象とします。数年事業活動を行っていれば創業時の想いからの乖離があるはずです。その乖離したことを頭の中でモヤモヤした状態(暗黙知)にとどめるのではなく言語化(形式知化)することがスタートです。言語化はどのような形でも構いませんが、経営者の想い、事業環境の変化によって事業活動がどう変わったか、これからどうなるのか、どのようにしたいかなどを改めて認識するためのものです。

そのうえで、経営戦略策定の流れを理解する必要があります。

1.経営理念・使命ミッションの確認
2.問題点の確認
3.あるべき姿の検討
4.内部・外部環境分析
5.課題の明確化
6.重要成功要因の明確化
7.あるべき姿の明確化(経営ビジョン・ビジネスモデルを文章・図等に落とし込む)

※『3.あるべき姿の検討』は課題明確化の前段階であり、『7.あるべき姿の明確化』で最終化する。